理事長の四季の花めぐり(94)〜ムクゲ(木槿) フヨウ(芙蓉) スイレン(睡蓮)

  • 2019.08.19 Monday
  • 11:54

  

ムクゲ ( 木槿 )の花 
盛夏に咲く代表的な落葉性の花木。わずか一日の儚い命の一日花です。
ハイビスカス、フヨウ( 芙蓉)、ムクゲ いづれもフヨウ属で同じ仲間。
槿花(キンカ) とも言われ、秋の季語です。
唐の詩人 白居易の
「松樹千年終是朽 槿花一日自為栄」
松の木は千年の齢を保つがいづれは朽ち、木槿の花は一日の花だがその生を大いに全うする。
「槿花一日の栄」、「槿花一朝の夢」
人の世のはかなさ、栄華のはかなさに例えられます。
  それがしも 其(そ)の日暮しぞ花木槿  小林一茶
  雨はれて心すがしくなりにけり
  窓より見ゆる白木槿の花   斎藤茂吉

 

  

フヨウ ( 芙蓉 )
やはり一日花です。
美人のたとえに「芙蓉の顔(かんばせ)」と言われますが、美人薄命の四字熟語を思い起こします。
芙蓉の一種の酔芙蓉は初めは白く咲き、しだいに酔ったように赤らみ、夕方にしぼみます。
   今朝も一つ咲きし芙蓉のあざやかさ
   きのふの花は既に散りたる   大悟法利雄

  

スイレン ( 睡蓮 )
未草 ( ひつじぐさ ) は日本原種名。
烏などの鳥やイタチなどから池の鯉や金魚の防御のため、池には網が張ってあり、睡蓮の花は網の下で窮屈に咲いていましたが、今年は花の茎を網の外に出し、おおらかにのびのび咲きました。
未草の名の由来は、花の蕾が未の刻(いまの午後2時)頃に開花するからとのこと。
睡蓮の睡は花が夜閉じるから、蓮はハスの花に外見が似ているから。
しかし実際は朝に開花し、夕方6時頃に閉じます。
フランスの画家モネはパリ近郊の庭の池の睡蓮を題材にたくさんの絵画を描きました。
エジプトではナイル河畔に多く咲いており「ナイルの花嫁」と呼ばれ、エジプトの国花でもあります。
  むらさきの睡蓮の花ほのかなる
  息して歎く水の上かな   与謝野晶子
  睡蓮の一つ咲きたりいま一つ
  見ゆる蕾も明日は咲くらむ   大悟法利雄

理事長の四季の花めぐり(93)〜ノウゼンカズラ ヒマワリ 立秋の空

  • 2019.08.10 Saturday
  • 17:08

  

ノウゼンカズラ   凌霄花( ノウゼンカ )
つる性の落葉樹。つるが木に纏付き、天空を凌(しの)ぐほど高く登る花の意味で凌霄花(ノウゼンカ)と言われます。凌霄花の霄は空を意味します。夏の季語。
近くの愛宕山 龍泉寺の垣根に見かけました。
一つ一つの花は短命ですが、絶え間なく新しい花を咲かせます。生育旺盛の花です。
   家毎に凌霄(のうせん)咲ける温泉(いでゆ)かな  正岡子規
   凌霄花に秋の通ふか風見ゆる  恒丸
 

  

向日葵( ヒマワリ )
向日葵の写真🌻は青空の背景が一番です。
1枚目の写真の上方に黒く枯れて、首をしな垂れた向日葵が写っています。
30数年前に高齢者向けの文集に投稿した文の中に引用した俳句です。
   向日葵の大声で立つ枯れて尚   秋元不死男
当時は自己流に解釈して、枯れても尚、堂々と太陽に向かって立っている枯れた向日葵を思い、歳をとっても威厳を保って生きていく老人の姿をを心に浮かべておりました。
ところが最近、『 敢えて枯れても倒れることができない苦しみを取り上げて、擬人化して表現したものです。最盛期が美しく盛んであればあるほど、死に時を逸して、老醜を晒す姿は、心あるものとして目をそむけるほど、やりきれものかもしれませんね。(「国語の先生のブログ」より) 』  という句の解釈を読み、俳句の奥深さを知り大変勉強させて頂きました。

  

立秋の空
今年の梅雨明けは遅れました。梅雨明け10日と言われ、この10日間の暑さは厳しいと言われています。しかし今年はこのほぼ10日後の8月8日に立秋を迎えました。
写真は立秋の日に第二吉祥苑回診の途中に見た空。都会では見られないほど空が広がり、秋の訪れを感じさせる空と雲を見ました。まだまだ極暑が続いていますが、もう少しの辛抱です。
2枚目の写真の地平線中央部に見られる建物が五主町の特別養護老人ホーム第二吉祥苑です。

理事長の四季の花めぐり(92)〜桔梗 ( キキョウ )

  • 2019.07.31 Wednesday
  • 11:19

        

 

 

今年の梅雨明けは7月28日と遅く、ようやく本格的な夏を迎えました。
桔梗は秋の七草なのに6月下旬より咲き始めました。多年草で今年も咲き誇りましたが、8月を迎え、すでに盛りは過ぎてしまいました。
最後の写真のように桔梗の蕾は五枚の花弁が風船のようにピタリと合わさって、ふっくらと膨らんでおり、開花のさい五裂して紫色の美しい花を咲かせます。しかも開いた五枚の花弁は皆繋がっております。このことから英語では Balloon Flowerと言われます。
万葉集にて山上憶良が詠んだ秋の七草のひとつ「朝顔(あさがお)の花」は桔梗をさすと言われています(万葉集1537、1538山上憶良)。俳句では「きちこう」とも詠まれ、秋の季語です。
  臥(こ)いまろび 恋ひは死ぬとも いちしろく
  色には出でじ 朝顔の花  (万葉集2274作者未詳)
恋い焦がれて死ぬようなことがあっても、けっして人目につくようなことはしません。華やかな朝顔(桔梗のこと)の花みたいには・・・
   手触れなば裂けむ桔梗の蕾かな  阿波野青畝
   紫のふっとふくらむききょうかな  正岡子規
   莟(つぼみ)より花の桔梗はさびしけれ  三橋鷹女
   桔梗咲く母のいのちのあるかぎり   小檜山繁子
日本では桔梗の家紋が多いですが、たまたま読んでいた書物より、平安時代の陰陽師 安倍晴明の家紋 大晴明桔梗紋を知りました。機会があればぜひお調べください。

理事長の四季の花めぐり(91)〜紅と黄色のカンナ

  • 2019.07.28 Sunday
  • 09:24

  

 

  

 

紅いカンナと黄色のカンナ  学名はCannaで管の意。
紅いカンナは五主町の第二吉祥苑へ回診の途中に見ました。
黄色いカンナは明和町の第二嘉祥苑「アコラス」の近くで見ました。
カンナは球根で多年草で毎年、ここを通った時、同じ場所に見かけます。
紅い花は強烈な紅のためか、詩歌では 「燃ゆ」とか「炎え」のような表現で使われることが多いようです。秋の季語。
  老いしともおもふ老いじとも思う陽のカンナ   三橋鷹女
太陽の下のカンナを見ながら作者は、自分の老いと、老いたくない自分の気持ちが交差しています。カンナの強烈な赤色を見ていれば生命力とそれに追いつかない老いの哀しみとが浮き上がってきますね。(角川春樹編「合本現代俳句歳時記」)
  老いぬれば我が丈(タケ)低しカンナより   三橋鷹女
  カンナ燃えさかれど避暑期はや峠   久保田万太郎
  カンナ燃ゆ女は小さき嘘をつき   田村登喜子
  カンナカンナ血の色となるまでカンナ   田井三重子
  黄に紅にカンナのみだれ四肢萎ゆる   藤田湘子
  片意地を張って疲れてカンナ炎ゆ   田口一穂

理事長の四季の花めぐり(90)〜ネジバナ( 捩花 )

  • 2019.07.18 Thursday
  • 10:23

    

 

    

ネジバナ( 捩花 ) 
モジズリ( 綟摺 ) ネジリバナ ネジレバナ  ねじり草などとも言われ、ラテン語ではSpiranthesで螺旋を表します。
ラン科の草花で多年草です。日当たりの良い芝生に紛れて真っ直ぐに育ち、ピンク色の可憐な花をつけます。芝刈りの際に目につき、捩花を残しました。
不思議な螺旋形の花の右巻き左巻きの割合は半々です。
写真撮影の際にモンシロチョウが花の蜜を吸いに飛んできました。

   陸奥(みちのく)のしのぶもじずり誰ゆゑに 乱れそめにしわれならなくに
伊勢物語一段目や百人一首14首目にある河原左大臣( 源融 )の歌で、恋に乱れた心を陸奥の染物である信夫綟摺(しのぶもじずり)の乱れ模様の摺り布に例えております。源融は源氏物語の主人公 光源氏のモデルの一人とされております。平安の頃、信夫綟摺(しのぶもじずり)は心の乱れを表す歌枕として、広く歌の世界で用いられました。

   捩花はねじれて咲いて素直なり  青柳志解樹
   茎のびて文字捩草となりにけり  五十嵐播水
   かりそめの花と思へどねじ花は 今年また咲く同じところに  松村英一

 

 

理事長の四季の花めぐり(89)〜ハイビスカス

  • 2019.07.15 Monday
  • 08:38

  

 

  

 

ハイビスカス
仕事に追われ、紫陽花の花の盛りを見過ごしてしまい、梅雨の晴れ間には蝉の声が聞かれる季節となりました。
春に小さな苗木を植えたハイビスカスが細い枝に大きな花をさかせました。赤、黄、ピンク。
1965年に歌手 日野てる子の歌う「夏の日の想い出」がミリオンセラーとなりました。
ハイビスカスの花を一輪、長いストレートの黒髪に飾って歌うその姿が、彼女のトレードマークでした。
     きれいな月が海をてらし  たたずむ影は砂にうかぶ
     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
     夏の想い出が恋しくて  ただひとりだけで 来てみたのよ
     冬の浜辺は淋しくて  寄せる波だけが騒いでた
55年程前のハワイアン調のうた。記憶に残っている方は僅かでしょうね。

理事長の四季の花めぐり(88)〜6月の満月(ストロベリームーン) パセリの花 クチナシの花

  • 2019.06.18 Tuesday
  • 18:00

6月の満月はストロベリームーン(Strawberry Moon)と言われます。
夏至に一番近い満月で、今年は昨夜の6月17日に当たりました。
語源はアメリカ先住民が苺🍓の収穫期の目安時期としたとのこと。
普通の写真機に三脚を使い懸命に撮りました。月の出時間で地平線に近いと、やや赤く見えるとのことですが、10時過ぎに撮りましたので、いつもの満月ですが、ストロベリームーンと思うと気持ちは昂ぶります。
「恋を叶えてくれる月」と言われ、更に話に尾びれがつき、好きな人と一緒に見ると、更に愛が深まり結ばれる。好きな人の居ない人は、理想の恋人をできる限り具体的に思い浮かべて、一緒に見ていると想像して月を眺めると恋が成就するとのこと。
見逃した方は来年は是非ご覧ください。

 

    

パセリの花
パセリの花をはじめて見ました。
二年草で花が咲き、この秋には枯れるとのこと。
小さく地味な花で見落としてしまいそう。
撮影中に黒い虫が飛んで来ました。

 

  

クチナシ(梔子)の花
クチナシ(梔子)の花    ガーデニア
クリニックの駐車場ではクチナシの花が満開です。
近くを通ると爽やかな甘い香りが漂っており、私のような老体にはこの香りから昔の懐かしい記憶が蘇ってくるようです。
フランスの文豪マルセル・プルーストの大作「失われた時を求めて」の中で、語り手が口にしたマドレーヌの味から、幼少期の家庭の思い出が蘇る場面があり、このことから特定の匂いを嗅ぐことにより、その時の記憶や感情が蘇ることを「プルースト効果」と言われています。
またあるはずのない異臭がするという幻臭(げんしゅう) 、幻嗅(げんきゅう)という幻覚の一種があり、これは医学において大脳生理学の大きな研究分野でもあります。しかし私たちはクチナシの花という語感だけで、まわりにクチナシの香りが漂ってくる幸せな感覚に浸ることができるという大脳生理の恩恵にもあずかっています。

理事長の四季の花めぐり(87)〜アマリリス カーネーション 麦の秋

  • 2019.06.07 Friday
  • 14:59

  

アマリリス
今年はアマリリスがたくさん咲きました。
あまり手を入れてないのに、健気に咲き誇っています。
ユリに似たとても美しく華やかな大輪の花です。
  四方(よも)に告ぐここにわれありアマリリス  小沢信男
  咲き誇るほったらかしのアマリリス  中井郁子

フランス民謡で岩佐東一郎作詞 童謡アマリリス
   1) みんなで聞こう  楽しいオルゴールを
      ラリラリラリラ  しらべはアマリリス
  3) フランスみやげ  やさしいその音色(ねいろ)よ
      ラリラリラリラ  しらべはアマリリス

 

    

カーネーション
母の日から1ヶ月近く経ちましたが、昨年と同じ場所にカーネーションが咲きました。
多年草ですが、種が落ちたのか?かなり小ぶりで栄養失調気味です。
アメリカの南北戦争🇺🇸で負傷兵を献身的にケアした母が亡くなり、娘が追悼する会を行い、母の好きだった白いカーネーションを配ったことに始まると言われています。
1914年に正式に「母の日」となったとのこと。
赤いカーネーションが母の日に贈る定番色ですが、他にピンク、濃い赤、黄色、オレンジ、青など色々の種類があります。
 

麦の秋  麦秋(むぎあき、ばくしゅう)
「麦の秋」は夏の季語です。
初夏の頃、梅雨の前の収穫間近の黄金色に色づいた麦畑です。
木々は美しい緑色に栄え、薫風が収穫前の黄色い麦畑を吹き抜ける。
そのような風も感じさせる、美しい日本の言葉です。
第二吉祥苑への回診途中の風景で、なかなか見かけなくなった景色です。
   往診といふ道があり麦の秋  川上季石
   麦秋や医者にからだをみせにいく   松本雨生
   麦秋や書架にあまりし文庫本  安住敦

 

理事長の四季の花めぐり(86)〜ウツギ ( 空木 )の花 3種類

  • 2019.05.28 Tuesday
  • 15:55

  

ウツギ(空木)
卯の花(うの花)とも呼ばれています。
クリニックの駐車場工事の際に移植したウツギの木に白い花が咲きました。
茎が中空により、空木と言われます。
旧暦4月を卯月と呼ぶのは「卯の花の咲く季節」の意であるとのこと。
和歌や俳句にもよく詠まれ、和歌では古くより、鶯や時鳥と合わせて詠まれます。
   佐々木信綱作詞の小学唱歌「夏は来ぬ」より
      卯の花のにおう垣根に 時鳥(ほととぎす)
      早もきなきて 忍の音(しのびね)もらす 夏は来ぬ

 

  

紅花うつぎ(ベニバナウツギ)   マギシェン
白地に薄ピンクの色合いの花が房状に美しく咲きました。

  

梅花うつぎ(バイカウツギ)   ベルエトワール
梅の花に似た花が咲きました
一重咲きですが、八重咲きもあるそうです。

 

理事長の四季の花めぐり(85)〜「なんじゃもんじゃ」の花 アルストメリア オオツルボ

  • 2019.05.15 Wednesday
  • 14:26

      

「なんじゃもんじゃ」の花
ヒトツバタゴ( chionanthus )が本当の名前。ギリシア語でchionは雪 anthos花であり、樹木全体が真っ白な雪を冠ったような風情になることに由来すると思われます。
松阪市五主町の特別養護老人ホーム第二吉祥苑の正面入口にあります。
一目見た瞬間にアッと叫びたくなるような白さと美しさと華やかさです。
明治時代に明治神宮外苑の街路沿にあり、名前がわからないので、「何の木じゃ」と呼ばれているうちに「なんじゃもんじゃ」という名前となったと言われています。
希少種のひとつで絶滅危惧種に指定されております。
 

  

アルストロメリア(Alstromeria)   アストロメリア
別名 ユリズイセン(百合水仙)  ユメユリソウ(夢百合草)  インカの百合(lily of Incas)
クリニックの駐車場の花水木の下に今年突然咲き始めました。
南アメリカ原産でアンデス山脈の寒冷地に自生。大正15年(1926)に日本に入ってきました。
インカ帝国の遺跡 マチュピチュなど街々にはこの花の原種であふれていたと考えられます。
多彩な色の品種があります。
 

オオツルボ ( 大蔓穂 )
シラー ペルビアナ(Scilla Peruviana)で和名はオオツルボ(大蔓穂)
クリニックの駐車場に咲いています。
40年ぐらい前、東京在住中、マンションのベランダに鉢植であり、この花名はオーニソガラムとずーと思っておりました。このブログを載せるにあたり確認しましたらオーニソガラムは白い花で別の花でした。
星型の小さな青紫の花が数多くパラソル⛱のようにいっぱい広げて咲いています。
また夜空に数多の星が華やかに光り輝いているようにも見えます。

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お花が大好きな堀江理事長が、四季の移り変わりのなかで、ふと目にとまったお花や風景などを取り上げ、日常生活で感じたことなども交えてお伝えいたします。

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