理事長の四季の花めぐり(68)〜白梅
- 2019.01.31 Thursday
- 09:27
白梅 ( ハクバイ、 シラウメ )
庭の古木の白梅の木に、今年は思いがけず、沢山の蕾がつき、見事に花が咲きはじめました。人間で言えば「看取り」の状態の老木で最期の力を振りしぼったのかもしれません。
白梅は厳しい寒さや雪に耐えて春の花に先駆けて凛とした美しい花と気高い香りを放ちます。
老梅の穢(きたな)き迄(まで)に花多し 高山虚子
虚子没年の句。白梅の古木が衰亡に向かっているにもかかわらず、かえっておびただしい花を咲かせ、生命力を発散していることへの驚きとうとましさを「 穢き迄に 」と端的に言った。(大岡信)
白梅の古木ならざる香を放つ 稲畑汀子
白梅の古木なれども花充てり 嘉住きよ美
白梅の白の世界を凛として 梅田知子
一本の白梅に意地見えにけり 城尾たか子 ( 梅は春の季語 )